「人手不足倒産」という言葉を
見る機会が多くなりました。
そこまででなくても、人が足りない
ために受注を断っている企業の話も
よく耳にします。
人材採用は、火急を要することで
あったとしても、拙速に動くことは
慎まなければなりません。
「急ぎつつ待つ」ことが重要です。
この連載では、そのような
「急ぎつつ待つ」ために何をする
べきなのかについて書いていきます。
第12回のテーマは
「一緒に働きたい人を選ぶ」
です。
ストレスフルな職場
働く人にとってなによりも
ツライことは「必要とされない」
ことではないでしょうか。
それが人間関係のもつれから
きている場合はなおさらです。
ほとんどの職場では人間関係の問題を
抱えています。上司や同僚との、そして
取引先や顧客まで、その「関係」も
多岐にわたります。そのストレスが
退職理由になることも多い。
ストレスは肉体的にも精神的にも
大きな負荷がかかります。
人間関係のストレスさえなければ、
多少きつい仕事であっても十分に
対応していけるものです。
そういう意味で、退職理由として
残業が多い、給料が少ない、
休みが少ないを挙げる人はウソを
ついているとさえ言えます。
それら人間関係の問題に対しての
ストレスのほうが重大な問題で
あるケースが多いものだからです。
制御不能の感情
人間関係のもつれから、
「この人とは一緒に働きたくない」
という感情が芽生えれば、それを
押し殺すことは容易ではありません。
ほとんど制御不能であると言って
良いのではないでしょうか。
それだけでなく、ストレスを解消
するためには、相手にいなくなって
もらうしかないため、お互いを排除
しようとさえします。
そうならないように、採用する前に
「一緒に働きたい」という人を優先
して採用することが重要です。
仕事をしていく上での問題解決には
一緒に働く人との協力が欠かせ
ません。そういう意味で、採用に
関しては一緒に働くきたいと
思える人物を採用することが
特に重要になるでしょう。
経験や能力的に著しく劣る、
持っているべきスキルを持ってない
などの場合を除いて、能力面より
「一緒に働きたいか」を最重要
ポイントにして採用することです。
経験やスキルはあとからいくらでも
積ませたり教えたりすることは
できます。しかし、それも
「一緒に働きたい」という人で
あってこそ可能になるものです。
心情的に「一緒に働くのはイヤ」
と思っている人に教えたりする
ことはできません。