「人手不足倒産」という言葉を
見る機会が多くなりました。
そこまででなくても、人が足りない
ために受注を断っている企業の話も
よく耳にします。
人材採用は、火急を要することで
あったとしても、拙速に動くことは
慎まなければなりません。
「急ぎつつ待つ」ことが重要です。
この連載では、そのような
「急ぎつつ待つ」ために何をする
べきなのかについて書いていきます。
第15回のテーマは
「マーケティング活動」
です。
候補者を連れてくる
採用担当者の最も重要な仕事は
優秀な人材を採用することです。
そのためにはマーケティング活動が
欠かせません。マーケティングとは
この場合「採用するに値する人材を
その人材を欲している人のところに
連れてくる」ことを指しています。
残念なことに、多くの採用担当者は
採用するに値する人材よりも
「集められる人材」「面接できる人材」
を連れてくるだけに終わってしまって
います。結果として、書類選考をする
時間、面接する時間をムダに消費する
だけになってしまっているのです。
採用担当は給料泥棒に
なりやすい?
言ってしまえば仕事をしている
フリをしているだけです。
「優秀な人材を採用する」という
成果に結びつくはずもない仕事に、
貴重な時間を浪費しているだけです。
給料泥棒だと言われても仕方のない
愚行です。
採用に値する人だけを連れてくる。
そのために使う時間は、たしかに
大きなものになるでしょう。応募も
面接もできない時間が過ぎていく
ことにもなります。
そこを耐えてマーケティング活動に
時間を使い、採用に値する人を
つれてくるために知恵を絞り、力を
尽くすことが採用担当者に求められます。
採用担当者の本懐
採用した人が成果を上げることに
よって間接的にではありますが、
企業の発展に貢献する。それが
採用担当者の本懐、醍醐味です。
そういう意味では、いくら優秀な人を
採用できても、成果をあげる前に
辞められるようなことがあっては、
責務を果たしたとは言えません。
候補者に胸襟を開き、企業文化や仕事の
実態などを包み隠さず公開すること。
採用する部署とのコミュニケーションを
欠かさず、どんな人材を採用するのが
ベストなのかを把握しておくこと。
それによって早期退職を防ぐのも
重要な仕事です。
求人を出して書類選考をして面接をする。
これ以外にの「マーケティング活動」で
やるべきこと、やれることはたくさん
あります。
昨今の採用市場の動向、同業者との
横のつながりによる情報収集なども
その一つです。やれることはやる。
それでこそ採用担当です。