採用担当者が所属する組織に対して
できる貢献とは何でしょうか?
営利組織である限り、売り上げをあげ
利益を出すことが求められます。
しかし、採用担当者は売り上げを
あげることもなく、かといって
コスト削減ができる機会も少ない。
この点を踏まえて、採用担当者が
組織にできる貢献とは何か?
この問いに真摯に向き合うために、
日々の業務をこなす中で
「忘れがちなこと」について
書いていきます。
第6回のテーマは
「未来を採用する」
です。
退職理由にこだわる
人を採用するということは、
目の前にいる候補者が入社後に
あげてくれるであろう成果を
期待してするものです。
候補者の過去にこだわり、キズが
ないことに対する評価をもって
採用するのではありません。
その愚を犯す最大の要因が
「退職理由」に関する質問を
することです。そう言えるのは
大きく二つの理由があるからです。
理由その1
用意された回答を聞かされるだけだから
転職する決断を下すとき、前向きな
理由によることはほとんどありません。
少なからず、給与や評価に関して
何らかの不満があったり、人間関係に
トラブルを抱えていることがほとんど。
解決のためには、苦渋の決断として
退職することを選ぶしか方法がない
ということなのでしょう。
しかし、面接の場では
「新しいことに挑戦したくなった」
「以前からの夢であった」
「自分らしく働きたくて」
などと、あらかじめ考え抜かれ、
準備された前向きな理由ばかりが
語られます。
こんな答えを聞いても、なにも
得るところはありません。
本音ではないからです。
時間の無駄でしょう。
理由その2
「何ができるか」に関して何も
情報が得られないから
退職理由を聞いても、入社後に
「この人に何ができるか」を判断
するのに何の役にも立たないから、
というのが二つ目の理由です。
なぜかと言えば、退職を決断を
するに至った不満やトラブルは、
過去の、自社ではない、他の企業
での出来事にすぎないからです。
だから、そのことをもって
「ウチでも同じことを繰り返す、
考えるのではないか」というのは、
どこまで行っても邪推にすぎません。
再現性はない。
いいではありませんか。
以前の職場が嫌だからと
職場を変えることを繰り返して
いたとしても、成果をあげて
くれるのであれば。
すぐに辞めず、トラブルも起こさないが
何の成果もあげない人を抱えてしまう
ことに比べれば。