この連載では、採用面接でよく起こる
不思議な現象を「七不思議」と名づけ、
検証していきます。
第2回は
「なぜ『お祈りメール』が主流なの?」
です。
面接結果が不採用だった場合の通知は、
いわゆる「お祈りメール」が主流です。
「お祈りメール」とは何かというと、
文末が「お祈りします」で終わるため
そう呼ばれるようになったもので、
たいていは下記のような内容です。
先日は面接にお越しいただいて
ありがとうございます。
社内で慎重に検討しましたが、
今回は、ご縁がなったという結論に。
誠に残念ではございますが、貴殿の
益々のご発展お祈り申し上げます。
そっけない対応にしか映らない
面接から数日後に一通の手紙やメールが
送られてくるだけで、なんともそっけない。
どこが良くてどこがいけなかったか、
フィードバックのようなものは一切ない。
理由が何であろうと、候補者を採用するか
しないかの決定は企業の自由です。
さらに、その理由を開示するかどうかも
企業の自由であり、このことは裁判所も
認めていることなんですが・・・
候補者側からすれば、自分が軽んじられた
という印象を持つのが普通でしょう。
ひょっとしたら「あんな会社の商品は
二度と買うもんか!」と怒り心頭に
発する人がいるかもしれないですね。
それでも「お祈りメール」が有効
採用面接がきっかけで顧客も失う
事態になるとしたら、誠実な対応を
するほうが企業にとっていいはず。
それでも半数以上の企業は
「お祈りメール」をやめません。
その理由は、企業が「クレーマー」を
恐れているからです。
ヘタに不採用理由をフィードバックして
候補者の怒りを買ってクレームを
つけられたりしたらたまらない。
理由を開示したとたんに、つけ入る隙を
与えることになってしまいますから、
そうならないよう防衛線を張っている。
候補者の「今後の益々のご発展を願い」
不採用理由を明らかにするリスクは
企業側にとっても無視できないもの。
それでも理由を開示する企業には
惜しみない称賛を送りたいと思います。