この連載は
「ヘタくそ」な面接事例と
その理由をカンタンに述べます。
第11回
「候補者が知りたいことを伝えていない」
最後は誠実さがものを言う
採用面接は「妥協点」を探す場です。
あなたの会社が、候補者にとって
理想の職場であるということはまれ。
入社を決めるにあたって
なんらかの「妥協」が必要となる
ことがほとんどでしょう。
給与待遇は申し分ないけど勤務地が
少し駅から遠いとか、社員食堂が
あればよかったのにとか、細かい
ところをあげればキリがない。
しかし、これらの判断が可能になる
のは、面接官であるあなたが、
候補者が知りたいと思う情報を
「正確に」伝えていることが前提です。
もっと言えば、候補者から質問がなくても
「これは伝えておくべきだろう」という
事項は伝える「誠実さ」が必要です。
質問されなくても伝えるべきこと
たとえば、体育会系のノリが苦手な
候補者がいるとします。
大きな声であいさつしたり、根性論
にも似たノリは苦手なのに、
あなたの会社が体育会系の企業文化を
色濃く持っていて、あいさつや根性論が
なによりも重視されているとしたら?
残業はできるだけしたくなくて、
プライベートな時間を大切にしたいと
願っているのに、あなたの会社は
残業が多く、仕事終わりの飲み会も
頻繁にあり、しかも、なかば強制的に
参加させれる雰囲気だとしたら?
採用面接のときに、候補者が体育会系の
ノリを好まないこと、残業をできるだけ
したくないことはわかるはずです。
ならば、企業文化、社内状況については
候補者から問われなくても、こちらから
情報提供するべきなのです。
候補者が入社を決めるにあたって
重要視するであろうこと、
知りたいと思っていることは
問われなくてもお伝えする。
この「誠実さ」を持って行わない
面接は、たとえ入社に至っても
「失敗面接」です。