この連載は
「ヘタくそ」な面接事例と
その理由をカンタンに述べます。
第14回
「模範解答を求めている」
答えは一つではない
採用面接での質問に対して
「模範解答」を求めてしまう
のは避けるべきことです。
採用面接は学校のテストでは
ありません。
答えは一つではありません。
様々なアプローチ、解釈、
考え方があって当然のこと。
面接官であるあなたが
考えている「答え」が
唯一絶対の答えではない。
あなたが望む回答を候補者が
しなかったからといって
減点対象にするのは、明らかな
「下手くそ」面接であると
言わざるを得ません。
300社以上の面接を受けてきた
私の経験でも、私の回答に
納得がいかないからなのか、
明らかに不満げな態度を取る
面接官に出会ったことは
少なくありません。
掘り下げるべきは?
1000人以上の面接をしてきた
面接官の立場からすると、
候補者がなぜその回答をするのか
「その理由」を掘り下げるように
心がけていました。
模範解答のような答えは、
あらかじめ「用意された答え」
である可能性が高いと考えていた
からです。
候補者があらかじめ答えを用意
している質問をしないことも
重要なのですが、全部が全部
そういうわけにもいかない
のが実情。
そんな場合でも
「なぜそう考えるのですか?」
「なぜそんな行動を取ったのですか?」
「他に考えられる方法やアプローチは
どんなものがありますか?」
のように「もっと詳しく」話を聴いて、
候補者のことを掘り下げていく質問を
していくことが重要です。
組織には多様な人材がいることが
成果を上げるには重要だと言われます。
多様性・ダイバーシティというやつです。
そんな言葉を持ち出すまでもなく、
自分と他人は違うのだということ、
違う人間なのだから考え方も違うのだ
ということ、そしてそんな他人同士が
集まって組織が出来ているのだ
ということを忘れないことが
重要なのではないでしょうか。