この連載では、
ここに注意すれば
採用する側される側の双方が
「幸福になれる方法」
を書いていきます。
第7回
「欠員補充をしない」
1人退職者が出た。
だから
1人雇用しなければ!
という考えに陥りやすい。
採用する人には、退職した人と
同じ業務をしてもらおうとする。
その基準で選考を進めてしまう。
これが危険です。
ある企業で人事課長をしていた時に
各部門のマネージャーから、よく
「1人辞めたから1人採用したい」
という依頼を受けていました。
このような依頼をしてくる
マネージャーは、あんまり
優秀ではないと思います。
このようなきっかけで始まった
採用活動は、選考を進める
過程で一番重視するのは
「辞めた人がやっていた業務を
どれだけできるか」
「辞めた人の代わりがどれだけ
つとまるか」
という基準になる。
ここで問うべきなのは
「この部署に今必要な人材は
どんな人材なのか?」
という問いです。
「辞めた人の穴をどうやって
埋めるか?」
ではありません。
さらに言えば、
・部署全体の業務内容の見直し
・業務分担の見直し
・業務プロセスの見直し
これらを進めていけば、ひょっとしたら
新しく人を雇うことは必要なくなる
かもしれない、と考えるべきなのです。
採用は必ずすべきことではなく、
その前にやるべきことが多くある。
それでもなお必要だというときに
活動を始めるべきことなのです。
結果として「採用をやめる」という
選択をしても、リスク回避になる。
多くの時間と費用をかける
必要がなくなる。
採用が難しい仕事だという
ことを理解し、退職者が出た
ことを機会と捉える。
マネージャーにとって必要な
視点であり、重要な仕事です。