この連載では、
ここに注意すれば
採用する側される側の双方が
「幸福になれる方法」
を書いていきます。
第3回
「辞めないことを要求しない」
300社以上の採用面接を受けた私ですが、
その面接でよく質問されたのが
「当社は、長く働いてくれる人を
求めています。その気はありますか」
でした。
問いかけるタイミングも相手も、
そして内容も間違っています。
まだ入社もしていない人に
対してする質問ではありません。
まだ付き合ってもいない相手に
「自分と結婚できますか」と
質問するようなものです。
問いかけるべき相手は
候補者ではなく自社
です。
あなたの会社が、社員が長く
働ける環境であるかどうかと
いう視点が抜け落ちています。
正しい問いは
「どうすれば社員に長く働いて
もらえる企業にできるか」
「そのために何をすべきか」
です。
厳しい選別
今の時代、その企業で働くか
どうかの選択権は働く側にある。
どんなに有名な企業でも、働く
場所として選ばれなければ衰退が
待っています。
「人材不足倒産」が現実味を帯びている。
働く人の求めに応じることなく、
変わることを拒否し、
相手にばかり負担を強いる。
そんな企業は選ばれなくなる。
長く働いてくれる人よりも、
「短期間しかいないとしても
成果をあげてくれる人かどうか」
という視点で考えるべき時に
来ているのではないでしょうか。
それでも、長く働いてくれる人が
どうしても欲しいなら、こう
問うべきです。
「あなたが長く働ける企業や
職場環境とはどんなものですか?」
もし候補者が言った条件を
あなたの会社が満たしていないなら、
現時点では、目の前の候補者は
長く働けない可能性が高い。
入社してからこのことがわかったら
お互いが不幸になります。
今の段階で別れたほうが幸せになれます。