最近読んだ本で印象に残った
ことがあります。
「運命をひらく
生き方上手 松下幸之助の教え」
本田健 著
世界のパナソニックを一代で築きあげた
松下幸之助。この偉業を達成できた
理由の一つに、松下幸之助が
「人間関係の達人」
であったことが挙げられています。
そして、人間関係の達人である
ことの一つの条件として
「微妙に動く
人情の機微を知り、
これに即した行動を
心がけること」
という教えがあります。
この「人情の機微」は採用の現場で
無視されることが多く、
採用する側でも採用される側でも
多く経験してきました。
どんなことか例を挙げると・・・
採用される側では・・・
「面接後の採否連絡が一切ない」
「面接官がろくに応募書類も読まず
面接にきている」
「名前を間違えられる」
採用する側では・・・
「急に音信不通になる」
「事業内容も知らずに面接に来る」
「寝ぐせ、ネクタイ、スーツも
まともに着れていない」
採用現場では99%の候補者は
不採用になります。
採用しなかった人とは、以後の
接触はほとんどなくなります。
しかし・・・
「袖すりあうも他生の縁」。
たとえ採用面接という、その一回だけの
接触で終わるかもしれない場であっても、
「人間と人間の関係として大事にする」
という発想ができず、心のこもった
対応ができない人があまりに多い
ように感じます。
桃太郎が腰に付けていた
きびだんごは
「機微だんご」だったと思います。
イヌ、サル、キジともに、人情の
機微の微妙な動きを理解しあえる
関係だったからこそ、そんな仲間
だったからこそ、鬼退治が可能に
なったのではないでしょうか。
人情の機微と言ってもなかなか
理解はされないものかもしれません。
それでも私は人情の機微という
「きび(機微)だんご」
を候補者に渡そうと努力します。
それが、採用現場のプロとして
当然のことだからです。