この連載は、「採用する側」「採用される側」で
豊富な「ハイブリッド」経験を持つ私が、
いずれかの立場で「した」「された」質問に
ついて実例を挙げ、その質問意図と回答に
ついて解説していきます。
第4回は「した質問」で
「今までで最大の失敗は?」
です。
質問意図:
優れた人は果敢に挑戦するため
多くの失敗を経験しているから。
そして失敗から多くを学んでいます。
続く質問:
「もう少し具体的に教えてください」
「なぜそれが最大の失敗なのですか?」
「その失敗を次にどう活かしましたか?」
「今のあなたならその状況に、どう対処しますか?」
「今のあなたなら、その失敗を回避できると
思いますか?その理由は?」
「他に失敗したことはありますか?」
わたしならこう回答する:
転職先の社内環境について、よく
確かめなかったことです。
面接を受ける側だからといって遠慮する
ことなく、満足のいく答えが得られない
会社なら、こちらからお断りするくらいの
気持ちで臨むべきでした。
仕事で失敗したことのない人はいませんが、
レジュメ(履歴書・職務経歴書)には
失敗したことについては書かれていません。
ですから、この質問は面接でぜひとも
しておきたい質問です。
なかでも「最大の」失敗を尋ねるのは、
その人の価値観を確かめるためです。
過去にした多くの失敗の中からなにを
最大のものとして挙げるのかには、
候補者の価値観が影響しています。
例えば、営業担当者が
「お客様の信頼を損ねてしまったケース」
を最大の失敗として挙げるのか、
「売上目標達成率が過去最低だったケース」
を挙げるのか、それには価値観が影響している。
失敗からは、失敗した本人が多くを
学ぶだけでなく、その話を聞く側にとっても、
その人について多くを学べます。