究極の選択!? どちらを採用しよう? 第2回 「大企業出身のスペシャリストVS中小企業出身のゼネラリスト」


採用面接では、複数の候補者のうち

誰を採用すべきかに迷うことがあります。

この連載では、甲乙つけがたいのではなく

「一長一短がある」場合について考えます。

 

第2回は

「大企業出身のスペシャリスト

VS

中小企業出身のゼネラリスト」

です。

 

スペシャリストかゼネラリストか。

よく議論される問題です。

採用するにはどちらを選ぶべき

なのでしょうか?

 

一般的には、大企業のほうが

スペシャリストが育ちやすく、

中小企業は一人何役もこなす

ことが必要なためゼネラリストが

育ちやすい。

 

大企業には「職務記述書」というものが

あり、部署と役職に応じて求められる

業務範囲と達成レベルが定められています。

 

担当業務がはっきりしているので仕事に

集中でき、スペシャリスとしてスキルを

磨けるというメリットがあります。

 

一方、業務が細分化されているため、

多種多様な業務を経験しにくいという

デメリットがあります。そうして、

自然とスペシャリストになっていく。

 

一方、中小企業には明確な担当業務が

定められているということは少なく、

必要なことは部署に関係なく何でもやる

という姿勢が求められます。

 

誰もやる人がいなければ、勉強をしてでも

誰かがやらなければならない。こうして

自然とゼネラリストになっていく。

 

問題なのは職場環境の違い

 

大企業出身者の高いスキルは中小企業にとって

とても魅力的に映ります。担当していた仕事の

規模も大きく、そこで得た経験は中小企業に

いては得難いものであるためです。

 

鳴り物入りで入社しても、思ったほどの

活躍を見せないまま、短期間で退職して

しまうことも多い。

 

なぜか?

 

大企業出身者は自分の職務範囲を超える仕事を

するという習慣があまりありません。

 

中小企業ではそれが当たり前なのですが、

その環境に馴染めず職務範囲を決めたがり、

自分の仕事だけしかしようとしない。

 

卓越した技術は称賛されるべきものですが、

高い山があればその分だけ谷も深い。

その分野以外の仕事はまったくできない、

ということもままあります。

 

周囲とうまくいかず、結果として成果を

あげることなく去って行ってしまいます。

 

大企業出身者の経験とスペシャリスト性

だけを「いいとこ取り」することは難しい。

現場にそれなりの混乱が起きることを

覚悟したうえで採用したほうがいいでしょう。

 


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