この連載では、
ここに注意すれば
採用する側される側の双方が
「幸福になれる方法」
を書いていきます。
第1回
「面接で退職理由を訊かない」
後編
昨日掲載した前編では
ほとんどの面接で、なぜ
退職理由が質問されるのかに
ついて考えました。
後編では、退職理由を質問する
ことで何が起こるか、そして
退職理由よりも重要な質問に
ついて考えます。
本当の退職理由は語られない
候補者がウソつきになるには
理由があります。
候補者は本当の理由は言えない、
言ったとしてもなにも「得すること」
はないからです。
たいていは、なにか嫌なこと、
我慢できないことがあるから
会社を辞めます。
その状況のつらさ、息苦しさは、
本人にしかわかりません。
よほどのことでなければ、
理解や同情は得られない。
「辞めるほどのことでも
ないんじゃないですか?」
「もっとやれることがあったの
ではないですか?」
「そんな状況を変えてやろう、
というガッツはないんですか?」
私がかつて、面接を受ける側として
「本当の理由」を話した時の
ほとんどの面接官の反応です。
特別、冷たい人たちばかりが
面接官として私の前に座って
いたのではないと思います。
面接官として同じことを
聞いたら、私も同じように感じる
であろうと思います。
その候補者が退職するという
道を選んだのは、あくまで
「過去に」「他の会社で」
たまたま起こった現象にすぎない
ということです。
「これから先」「あなたの会社で」
また起こる「再現可能性」は
決して高いわけではない。
こだわるべきは、目の前の候補者が
過去にあげた実績が、あなたの会社で
再現可能性が高いのかどうかを
探ることではないでしょうか。
退職理由についての質問で
候補者は
・過去の嫌な出来事を思い出す
・ウソをつかざるを得ない
面接官は
・用意された答えを聞かされるだけ
・ウソをつかれている
この間、何も生まれていない。
時間だけが過ぎていく。
それでもあなたは退職理由を
質問しますか?