労働の生産性を向上させることが
人手不足の解消には不可欠です。
それは人事担当者も例外ではありません。
この連載では、
人事部門の生産性向上を目指す
ために必要なことを提言します。
まず一つ目は
「Candidate Experience」
(候補者体験)
です。
「〇〇候補者」〇〇に入る言葉は?
採用を希望してくる人にとって、
人事部門は組織の顔です。
人事担当者の対応1つで、
候補者があなたの組織に抱く
印象には天と地ほどの違いが
生まれます。
採用してほしいと応募してくる
候補者は、将来の社員候補で
あるだけではありません。
採用することにならなかったと
しても、将来の顧客になるかもしれない。
取引先の担当者になるかもしれない。
外注先として仕事を発注することも
ありうる。株主や近隣住民、はては
将来の社員の親となる可能性だって
ゼロではない。
このように「候補者」という言葉
の前には「採用」だけが来る
のではない。
採用しなかったからといって、その
候補者との関係がそこで終わるのでは
ないということを肝に銘じなければ
ならない。
候補者体験=組織の評判
もし候補者に不快な思いをさせたり
誠実な対応を怠ったりしたら、
その損害は計り知れない。
SNSの普及によって、個人が
組織の行いを簡単に、そして
極めて大きなダメージを与える
方法で攻撃できる手段があると
いう事態の深刻さ。
そのことに無頓着であるばかりか、
何も対策をしていない組織が
多すぎる。
ネット上での評判が組織に与える
影響の大きさを軽視していると、
じわじわとダメージが広がる。
気付いた時には取り返しがつかない。
その危険性を認識し、下がった評判を
上げることは至難の業であることを
認識すべきです。
人事担当には優秀な人材を
候補者体験を重視し、その業務に
あたる人事担当者に優秀な人材を当てる。
そのことが極めて重要になります。
それだけでなく、生産性の高い
仕事を求め、ミッションを持たせる
ことも欠かせません。
忘れてはならないのは、人事担当には
時間と資金と人員を十分に与えること。
ヒト・モノ・カネを惜しんではいけません。
候補者体験の向上によって組織に
もたらされる恩恵には、お金には
代えがたいほどのものがいくつも
あります。
それに比べれば、人事担当に配置する
ヒト・モノ・カネは取るに足らない
ほどのものです。
次回では、候補者体験の向上に
関して「やってはいけないこと」
について書いていきます。