労働の生産性を向上させることが
人手不足の解消には不可欠です。
それは人事担当者も例外ではありません。
この連載では、
人事部門の生産性向上を目指す
ために必要なことを提言します。
二つ目は
「必要不急の仕事に取り組む」
です。
前編では、多くの人がいかに
必要かつ緊急の仕事に
追われているか。
特に人事担当者が担当する仕事は
スケジュールが厳格だという
ことについて書きました。
中編では、必要だが急ぎではない
「必要不急」の仕事に取り組む
ことができない理由について書きます。
見かけの忙しさ
多くの人が、必要だが急ぎではない
「必要不急」の仕事に取り組む
ことをしていません。
必要不急の仕事は、必要緊急だと
思われている仕事を見直し、改善し、
不要なら廃棄するために行うべき
ものです。本来ならすぐにでも
取り組むべきことなのです。
だれもがそのことは重々承知しており、
どうすればいいかもわかっている。
でも、やらない。
多くの人が「必要緊急」の仕事に
追われるほうを選ぶ。
その日の仕事が終われればそれで
よしとして、見かけは忙しい
仕事をしている。
「必要不急」の仕事に取り組む
ことができない状態に対し、
「忙しい」「時間がない」
「手が足りない」
「他に重要なことがある」
と自分に言い訳して、日々を
過ごしているのが実情です。
なぜなのでしょうか?
結果がわかりやすい
「必要緊急」の仕事は
少し時間をかければゴールに
たどり着き、片付いていき、
結果を人に見せやすい。
完成した社内会議用の資料
上司へメール送信した営業日報
顧客からの電話応対の記録
これらは成果物として見せやすい。
人事担当者であれば・・・
無事支給された給与
手続きが完了した保険証
無事終わった健康診断
といったところでしょうか。
つまり、自分の仕事を人に
認識してもらいやすいのです。
しかも、やらなかった時には
目立つしお咎めを受けやすい。
必要不急の仕事に
取り組まない理由
「必要不急」の仕事は、成功すれば
大きな成果を出し、業務遂行の
スピードを大幅に早めたり、
不必要な業務をやらないですむ
ようになる。
しかし「必要不急」の仕事は立案に
時間がかかり、社内へのプレゼンが
必要だし、予算獲得のために
稟議決裁が必要なことも多い。
かなりの時間をかけても
目に見える結果が出ない。
その間、評価されることもないし、
自分の仕事を人に認識してもらう
ことが難しい。
さらに悪いことには・・・
今までの手順や仕事のやり方を
変える提案をしている場合には、
抵抗にあい、文句を言われ、
いわれのない中傷すら受けかねない。
誰かがやってくれればいいが、
それが自分である必要はない。
しかし、必要不急の仕事に取り組む
ことなしに、必要緊急の仕事を
減らすことはできないのです。
では、どうやって必要不急の仕事に
取り組めばいいのでしょうか?
それは次回で。