労働の生産性を向上させることが
人手不足の解消には不可欠です。
それは人事担当者も例外ではありません。
この連載では、
人事部門の生産性向上を目指す
ために必要なことを提言します。
五つ目は
「やらないことを決める」
です。
やるべきことをやるために
人事部門ほど、多くの仕事がある
部署はないと思います。
量はもちろんですが、内容の面でも
多彩な仕事が存在しています。
やり方、手順さえ覚えればだれでも
すぐにできるようになる単なる
事務作業がある一方、経験とスキルが
ないとできないクリエイティブな
仕事がある。
就業規則や人事制度の変更、採用活動、
書類選考や面接の技術は、だれもが
できることではありません。
さらに、人事部門は人員が十分でない
ことも多く、1人の人が事務作業も
クリエイティブが仕事を同時に、
複数やらないといけないことも多い。
人事部門の仕事は、きちんとやろうと
すればいくらでも仕事があります。
同時に、サボろうと思えばいくらでも
サボれる仕事でもあります。
人の事を一大事に
人事とは読んで字のごとく
「人の事」を扱う部署です。
同じ組織に属しているとはいえ
所詮は他人でしかない人生に関わる
決定に関わることになります。
評価、昇進、転勤、採用、退職などは
まさに人の人生に関わることです。
その重みを自覚していないなら、
人事の仕事は所詮は「他人事」になる。
しかし、自分以外の人のことでは
あっても自分のことのように
「一大事」だと考えれば、人事の仕事に
終わりはありません。
そして、人事部門に所属する人は
所詮は他人事でしかないことを
一大事に考えられるかどうかで
仕事の質が決まります。
一大事のために、やらない仕事を
いかにカットするか。その思い切りが
人事担当者には必要です。
そうでなければ、多くの事務仕事に
引き裂かれ、集中できず、何も達成
出来なくなります。
後編では、やらない仕事の決め方に
ついて書きます。