この連載は
主に求人広告で見るフレーズで
「たわごと」と言えるものを
その理由とともに紹介します。
第5回
「希少な求人」
何が「希少」なのか?
逆に問いたい。
ありふれた求人とは?
中小企業の一般事務や営業?
人手不足で頻繁に人を募集
している企業の求人のこと?
ひょっとして、未経験でも、
仕事のことを指してない?
めったに出ない求人は確かに
あるでしょう。
あまり離職率が高くない企業や、
ニッチ産業の求人は出にくい。
限られた分野に通じている
研究者が対象の、そもそも応募できる
人が限られている求人もある。
しかし、求人雑誌や求人サイトに
出ている時点ですでに「希少」ではない。
表に出てこない
本当に希少な求人は、一般に広く
募集されることはない。
多くの人の目に触れさえしない。
限られた人しかアクセスできない
ネットワーク内にしか出ることなく、
そこで採用が決まってしまう。
ありていに言えば、ヘッドハンターや
リファーラル(社員紹介)採用などの
「閉じた」ネットワーク内で完結する。
エグゼクティブ同士の個人的な
つながりによる紹介で済んでしまう
ことも多い。
求人雑誌や求人サイトが「希少」だと
いう求人は疑ってかかったほうがいい。
「閉じた」ネットワーク内では相手に
されなかったために一般に出さざるを
えなかった「はずれ求人」かもしれない。