この連載では、採用活動に関して
重視すべき方針や考え方についての
キーワードを、「いろは」ならぬ
「ABC」に絡めて取り上げ、
解説していきます。
第17回は
「Knowledge」
です。
知識労働者
かつて「知識労働者」という
言葉を作ったのは、かの有名な
経営学者ドラッカーですが、
それはもう50年以上も前のこと。
いまや知識を使って仕事をしている
人が大多数になっています。
かつては仕事は、高価な設備や道具を
持っていなければできませんでした。
ところが現代では、必要な設備や道具と
言えばスマホとパソコンぐらい。
これらがあれば仕事ができます。
仕事の質に差が出るのは、使う設備や道具に
よってですが、それが今や働く人が持つ
「知識の質」になっています。
この知識は、持ち運べますし、働く人
そのものに帰属するので、知識を使おう
と思えば人を使うしかない。
知識だけを使うことはできないのです。
ならば、企業や組織が働く人の
「知識の質」の向上に協力して、
それを使ってより高い成果をあげて
もらうほうが合理的なはずなのですが・・・
多くの企業や組織は、働く人の知識の質向上に
まったくといっていいほど関心がありません。
不興になったら真っ先にカットするのが
人件費であり教育研修費です。
こんなことをすれば、再生することのない
自分のしっぽを切り落としてしまうに等しい。
自分が働く企業や組織が教育に関心がないと
思ったら、知識獲得や向上に熱心な人から
黙って去っていくからです。
残ったのは、学ぶこともなく、学ぶ意欲もない
「伸びることのない」尻尾ならぬ、人だけが残る。