この連載では、採用活動に関して
重視すべき方針や考え方についての
キーワードを、「いろは」ならぬ
「ABC」に絡めて取り上げ、
解説していきます。
第35回は
「Skill」
です。
スキルは自己申告にすぎない
履歴書・職務経歴書で候補者が
どんなスキルを持っているかを
判断するのは危険です。
あくまで自己申告であり、その
スキルを使ってどんな成果をあげたかは、
プレゼン能力によっていくらでも
「お化粧」することが可能です。
だからこそ面接をするわけですが、
そこでも自己アピールが苦手であったり、
高いスキルを持っていても、たまたま
環境が合わなかったせいで成果には
結びつかなかった場合のことを、
うまく説明できなかったりすれば、
評価は下がってしまう。
つまり、スキルによって採用不採用を
判断することは得策とは言えません。
面接はしょせん、プレゼン能力によって
結果が大きく左右されるものです。
これまでの話はいわゆる
「ハードスキル」のことですが、
ソフトスキル、つまり共感力や
コミュニケーション能力などで
判断することはさらに困難です。
人間同士ですから相性があります。
好き嫌いもあります。
「見た目」「容姿」で判断に
影響が出ることも実証されている。
つまり、ソフトスキルの判断には
多くの、そして大きなバイアスが
かかってしまい、適切な判断が
できない場合が多い。
もはや、面接は口頭で行うのではなく
オーディションのように「実技」を
やってもらうことを考えたほうがいい。
百聞は一見に如かず、です。