この連載では、採用活動に関して
重視すべき方針や考え方についての
キーワードを、「いろは」ならぬ
「ABC」に絡めて取り上げ、
解説していきます。
第42回は
「Transparency」
です。
選考過程の透明性
どんな基準で人を採用し、
どんな人を採用するかに関して
組織の自由度は非常に高い。
そればかりか、その基準を公開し
候補者本人に伝える義務もない。
だから「ご縁がなかった」と
言われれば、求職する側としては
それを受け入れるしかありません。
法律上はそうなのですが、それを
盾にとって、選考過程と選考理由に
透明性を欠き、まったく明らかに
しないことは組織にとってマイナスです。
なぜ不採用になったのか、どうすれば
改善できるのかを知ることができない
候補者は、まるで存在や人格を否定
されたような錯覚に陥ることすらあります。
単に、その組織が求めることと違った、
組織文化に合わなかったというだけの
ことなのですが、なかなかそのように
受け止めることは難しい。
採用しなかった人に対しても、今後の
キャリアや人生のためにアドバイスを
するつもりで、選考理由を伝えることを
してもいいのではないでしょうか。
今後一切、その候補者と関りがないと
断言できるでしょうか?
顧客になるかもしれない、取引先の
担当者になるかもしれない。
近隣住民や株主になるかもしれません。
そのことに考えが及ばないのですか?
理由を開示するくらいしても
損はないと思いませんか?