この連載では、採用活動に関して
重視すべき方針や考え方についての
キーワードを、「いろは」ならぬ
「ABC」に絡めて取り上げ、
解説していきます。
第44回は
「Unconscious Bias」
です。
無意識のバイアスは消せない
採用面接でどんなに公平な判断を
しようとしても、おそらくその
努力は無駄に終わるでしょう。
そもそも人が人を判断すること自体が
土台無理な話であるということはさておき。
人間には、自覚しているといないに
関わらず、バイアス=偏見があるからです。
主観と言ってもいい。
それによる「間違った」判断をなくそうと、
面接方法のセミナーを受けてみたり、
心理学を応用した適性検査をやってみたり
複数の目で判断するために何度も人を
変えて面接してみたり。
いろいろなことをしますが、どれも
「人の判断」が入る以上、そこに
偏りが生じてしまうことは避けられない。
人工知能による面接が実現したとしても
結果は同じでしょう。人口知能が学習
することも人間の活動、知見、知恵だから。
唯一の解決方法は、バイアスが入ることを
仕方のないことだとあきらめ、
開き直ることです。
しょせん、面接は「向いていない人」
「一緒には働けない人」を排除する
機能しかない、ということを受け入れること。
そうした虚心坦懐な姿勢こそが、採用面接に
携わる者にとって必要です。