これがヘタくそな面接「ヘタ面」だ! Vol.12「作法を守らない」
候補者を敬う心をもって面接をする。この基本的なことができていない面接官は多い。
いくら取り繕っても、その態度は必ずどこかに現れます。そして、候補者はそれを見抜きます。
サカマキ HRE Works 代表 中小企業診断士・酒巻秀宜
新規顧客開拓営業と総務人事の「両利き」ハイブリッドな知恵と経験から、売上につながる組織作りを推進する「月20万円~で活用できる人事課長」
候補者を敬う心をもって面接をする。この基本的なことができていない面接官は多い。
いくら取り繕っても、その態度は必ずどこかに現れます。そして、候補者はそれを見抜きます。
候補者があなたの会社への入社を決めるときには、なんらかの「妥協」をしていることがほとんどです。
しかし、正確な情報が提供されたうえでの「妥協」でなければ、入社後にミスマッチを起こす大きな原因になります。
「富士山を動かすには?」のような奇をてらった質問は、「退職理由は?」「あなたの強み、弱みは何ですか?」のように
事前に予想されているために用意された答えを聞くことになる、凡庸な質問よりは効果が高いかもしれませんが・・・
正しく評価することが難しいという面があります。
人と会った時の第一印象とは違う、目の前の候補者に対して感じる「直感」が、長く採用面接をやっていると培われてきます。
これは意外と外れない。
どんなに小さなものでも、候補者にした約束を破ったその瞬間に候補者はあなたの会社に不信感を持ちます。
その不信感がたとえどんな小さなものであっても、払しょくすることはほぼ不可能です。
口ではなんとでも言えます。しかし、ちょっとした言動に現れる本心は誤魔化せない。
目の前の候補者が本気であなたの会社で働くことを望んでいるのかをしっかり見極めるため、
細かい所に注意しましょう。
望み通りの人材を採用するためには、事前の準備と面接技術の訓練が必要なのですが、
そのどちらもない「丸腰で」面接に臨んでいる面接官も多い。
そんな状態で、準備万端の候補者に勝てるはずがありません。
相手が誰であろうと払わなければならない「最低限の敬意」というものがあります。
それを持っていない面接官は、面接がうまい下手の問題ではなく、候補者の前に出してはいけません。
お金の話は面接段階では避けられ、内定になってから提示されることが多い。
その金額が「御社はすごくいい会社なんだけど、この金額じゃ話にならないよ」
なんてことになったらどうするのでしょう?それまでかけた時間が無駄になります。
お互い譲歩できるラインは早めに確認しない面接はへたくそです。
採用面接では、できるだけ早い段階で「悪い情報」を候補者に開示することが必要です。給料が安い、残業が多い、休みが少ない、ノルマが厳しい・・・。面接の場では隠せても、入社すればいずれ明らかになることです。隠す理由がどこにあるというのでしょう?