この連載では、採用活動に関して
重視すべき方針や考え方についての
キーワードを、「いろは」ならぬ
「ABC」に絡めて取り上げ、
解説していきます。
第4回は
「Brand」
です。
採用ブランドが採用を制する
海外の人材採用に関する記事を
読んでいると、頻繁に
「Employer Brand」
という単語に出会います。
直訳すると「雇用者ブランド」
ということになります。
企業ブランドでも、製品ブランド
でもなく「働く人の視点から見た
ブランド力」が採用成功のカギを
握るということが強く意識されています。
知名度、収益力、技術力・・・
企業や組織を評価する指標は数多く
ありますが、自分が働く場所として
魅力的かどうかとはリンクしない、
ということです。
皆が知っている大企業だから、
という理由では選ばれることは
過去の話です。
働く人のニーズはどこにあるか?
採用ブランドの構築と維持には
マーケティングの考え方が必要です。
働く人にとって何が必要か。
働く人は何を望んでいるのか。
つまり企業や組織にとっての顧客である
「働く人のニーズ」を的確に把握し、
対応するために変化を恐れることなく
行動していくことです。
そのためには働く人達に話を訊き
真摯に受け止め、対応するために
変化することに躊躇しないことです。
間違っても、話も聞かず一方的に
「これが望みなんだろ?」と
昇給や人事制度の変更を強行する
ようなマネはしないことです。
たいていの場合、それはニーズに
合わない間違った行動になります。
謙虚に、働く人という「顧客」に訊き、
大幅な変化を伴うことであろうとも
恐れることなく行動することこそが、
受け入れられます。