この連載では、採用活動に関して
重視すべき方針や考え方についての
キーワードを、「いろは」ならぬ
「ABC」に絡めて取り上げ、
解説していきます。
第10回は
「Flexibility」
です。
柔軟性といいなりの境界線
2017年現在、空前の超売り手市場で
「働き手不足」の時代になっています。
企業や組織は人手も人材も不足して、
賃上げや働き方などの待遇改善を
迫られ、重い腰を上げ始めています。
そうしないと人手も人材も確保できなく
なるから、という後ろ向きな理由で。
このような考え方で行うことは、
しっかりとした軸がないため、
働く人からの求めに応じている
だけの「いいなり」に甘んじる
ことになるでしょう。
いいなりと柔軟な対応とは違います。
できないことはできない。
できないことはやらない。
やるべきでないことはやらない。
この姿勢を貫いてこそ
本当にやるべきことが残り、
その実現のためにできることは
慣習や前例にとらわれることなく
実行する。
これが柔軟性です。
もっとお金が欲しいという声が
あれば賃上げをし、もっと自由な
時間が欲しいと言われれば残業を
抑制する。
面接は平日の夜遅くか土日でないと
行けないと言われれば対応し、
面接官のほうから遠方へ足を運ぶ。
そんな相手の「いいなり」になることを
柔軟性と勘違いしている採用担当者は多い。
忘れてはいけないのは、いつも自分の
言うことを聴いてくれる相手を、人は
だんだんと軽んじるようになるということ。
「良い人」は「どうでもいい人」になるということ。