この連載では、採用活動に関して
重視すべき方針や考え方についての
キーワードを、「いろは」ならぬ
「ABC」に絡めて取り上げ、
解説していきます。
第1回は
「Action-Base」
です。
行動本位で判断
私は採用担当者だったころから、
候補者から提出された書類を基本的に
信用していませんでした。
なぜなら、履歴書・職務経歴書に書かれて
いることは自己申告にすぎず、
候補者の主観に基づいて誇張、歪曲、脚色
されているからです。
それ以外に、まだ会ったこともない候補者の
ことを知る方法がないから、書類提出を
求めるより仕方がない、というだけのことです。
だからこそ、面接という場で本人の口から
話を聴き、実物を確認することが重要に
なってきます。
事実確認に終始しない
面接をせずに採用する組織はないですが、
書類で判断するのと変わらない面接しか
していない組織は多いです。
候補者の取ってきた行動や、
その原理となる考え方を確認する
ことなく、面接が単なる
「事実確認」に終わっているからです。
目標に対し何%の達成率だったか。
何人のチームを率いていたか。
なぜ前職を辞めたのか。
それらの事実よりも、その時その場所で
どんな行動を取り、どんな役割を果たし、
どのように結果や成果に貢献したか。
それらを確かめる質問をしましょう。
そのための方法の一つが
「行動と行動原理」に関して質問する
ことなのです。
どのような行動を取ったのか。
なぜそんな行動を取ったのか。
この2点に絞って深堀りしていきます。
行動の結果が運悪く、悪い結果に終わる
こともあるでしょう。
それは事実に過ぎませんし、本人の力の
及ばないことの影響であることもあります。
しかし、取った行動とその理由は本人が決めた
ことであり、それこそが目の前の人物の姿を
知るために有効なものです。
「行動本位」の面接こそが必要です。